
目次
ヒヤリハット報告書の作成に時間を取られていませんか?
「ヒヤリハット報告書を書くのに毎回時間がかかる…」
「再発防止策がなかなか思い浮かばない…」
「報告書だけでなく手順書の作成や改定まで必要になり、気づけば半日が終わってしまう…」
製造業で働いていると、このような経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
私は製造業で管理職として働いていますが、ヒヤリハットが発生した際は、単に報告書を書くだけでは終わりません。
- 発生状況の整理
- 原因の分析
- 再発防止策の検討
- 手順書の作成・改定
- 現場への教育
ここまで実施して初めて、安全活動として完了します。
しかし以前の私は、報告書や手順書を作ることに時間を使いすぎてしまい、本来一番重要な現場教育に十分な時間を確保できていませんでした。
そこで活用したのがChatGPTです。
結論から言うと、ChatGPTは報告書を代わりに書いてもらうツールではありません。
私が一番価値を感じたのは、
「考える時間」と「文章を作る時間」を大幅に短縮できたことです。
その結果、空いた時間を現場教育や再発防止活動に充てられるようになり、安全活動の質そのものを高めることができました。
今回は、私が実際にChatGPTを使って
- ヒヤリハット報告書
- 再発防止策
- 作業手順書
を作成した方法と、実際に感じたメリット・注意点を紹介します。
ChatGPT導入前に困っていたこと
私が経験したヒヤリハットは、
20kgのポリ容器を段差の上へ運搬している際、バランスを崩して転倒した
という事例でした。
幸いにもケガや薬品漏れはありませんでしたが、一歩間違えれば重大災害につながっていた可能性もあります。
そのため、
「転んで終わり」
では済みません。
管理職として、
- なぜ発生したのか
- 今後どうすれば防げるのか
- 現場へどう教育するのか
まで考えなければなりません。
特に時間がかかっていたのが、
再発防止策を考えることでした。
対策というものは、ある程度パターンがあります。
それでも、
「もっと良い方法はないか?」
「本当にこの対策で再発を防げるだろうか?」
と考え始めると、30分以上かかることも珍しくありませんでした。
さらに、対策が決まった後も、
- 手順書を作る
- 報告書を書く
- 上司にも伝わる文章へまとめる
という作業が続きます。
文章を書くこと自体は難しくありません。
しかし、
「どう書けば分かりやすいか」
「読みやすい文章になっているか」
を考えながら書くため、かなりの時間を使っていました。
私が実際にChatGPTを使った方法

私が意識したのは、
最初から「報告書を書いてください」とお願いしなかったことです。
一気に依頼するよりも、段階的に使った方が圧倒的に精度が高くなりました。
実際には次の流れで進めています。
① まずは事実だけを箇条書きで入力
最初は文章を書こうとはせず、
発生した事実だけを箇条書きで入力しました。
例えば、
- 20kgのポリ容器を運搬していた
- 段差を上がる際にバランスを崩した
- 転倒した
- ケガや薬品漏れはなかった
といった内容です。
この段階では文章の完成度は気にしません。
「何が起きたか」を正確に伝えることだけを意識しました。
② ChatGPTに再発防止策を考えてもらう
次に、
「このヒヤリハットの再発防止策を考えてください」
と依頼しました。
すると、
- 運搬方法の見直し
- 保護具の確認
- 段差通過時のルール
- 教育内容の見直し
など、複数の案を短時間で提案してくれました。
もちろん、そのまま採用したわけではありません。
管理職として、
- 現場で本当に実施できるか
- コストは問題ないか
- 効果は期待できるか
を一つずつ確認しながら採用する内容を決めています。
つまり、
ChatGPTに対策を決めてもらうのではなく、対策の候補を出してもらう
という使い方です。
この考え方をするようになってから、対策を考える時間が大幅に短縮できました。
③ 決定した対策をもとに手順書を作成
再発防止策が決まったら、
次は手順書の作成です。
以前は、
「どの順番で書こうか」
「どんな表現なら現場に伝わるか」
と考えながらゼロから作成していました。
しかしChatGPTなら、
対策内容を入力するだけで、手順書の骨組みを短時間で作成してくれます。
もちろん、そのまま使うことはありません。
実際の設備や作業手順に合わせて修正しながら完成させています。
それでも、
ゼロから作るより圧倒的に早く完成するようになりました。
④ 最後にヒヤリハット報告書を作成
最後に、
これまで整理した内容をもとに報告書を作成してもらいました。
ここで私が意識したのは、
**「AIらしすぎる文章にしないこと」**です。
例えば、
「少し話し言葉を入れてください」
「硬すぎない自然な文章にしてください」
と指示しています。
その後、自分でも文章を見直し、
現場で普段使っている言い回しへ修正しました。
このひと手間を加えるだけで、
「ChatGPTに丸投げした」
という印象はほとんどなくなります。
実際に使ったプロンプト
私が実際に行った流れを再現すると、次のようになります。
20kgのポリ容器を段差へ運搬中、
バランスを崩して転倒しました。
幸いケガや薬品漏れはありません。
この内容をもとに
・考えられる原因
・再発防止策を5案
・現場で実施しやすい順番
を提案してください。
その後、
採用した対策だけを入力して、
「この内容で作業手順書を作成してください」
最後に、
「ヒヤリハット報告書を書いてください。少し話し言葉を入れ、AIらしくない自然な文章にしてください。」
という流れで進めています。
このように段階的に依頼すると、完成度がかなり高くなります。
どれくらい時短できたのか

実際に比較すると、これだけ変わりました。
| 作業内容 | ChatGPT導入前 | ChatGPT導入後 |
|---|---|---|
| 再発防止策を考える | 約30分 | 約10分 |
| 手順書の作成 | 約2時間 | 約30分 |
| 報告書の作成 | 約1時間 | 約15分 |
| 合計 | 約3時間30分 | 約55分 |
約2時間35分の時短になりました。
私が一番驚いたのは、文章を書く時間よりも、
「考える時間」が大幅に減ったことです。
ChatGPTは答えを決めてくれるツールではありません。
しかし、考えるための材料を素早く提示してくれるため、最終判断だけを自分で行えばよくなり、仕事全体のスピードが大きく向上しました。
実際に使って感じた3つのメリット
① 再発防止策を考える時間が大幅に短くなった
私が一番助かったのは、この部分です。
ヒヤリハットが発生したとき、一番時間がかかるのは文章を書くことではありません。
「どんな対策が一番効果的か」を考える時間です。
もちろん管理職として経験はあります。
しかし、自分一人で考えていると、
「他にも良い方法があるのではないか」
「もっと効果的な対策があるのではないか」
と考え込み、時間だけが過ぎてしまうことがありました。
ChatGPTは数秒で複数の対策案を提案してくれます。
その中から、
- 現場で実施できるもの
- コストがかからないもの
- 効果が期待できるもの
を選ぶだけなので、考える時間を大幅に短縮できました。
私自身、**「ゼロから考える」のではなく、「候補の中から選ぶ」**という仕事の進め方に変わったことで、精神的な負担もかなり減ったと感じています。
② 手順書作成が圧倒的に早くなった
対策が決まると、次は作業手順書です。
以前は、
- タイトル
- 作業手順
- 注意事項
- ポイント
などを一つずつ考えながら作成していました。
内容が分かっていても、それを文章としてまとめるのには時間がかかります。
ChatGPTを使うようになってからは、
骨組みを作ってもらい、
私は現場に合わせて修正するだけになりました。
その結果、
約2時間かかっていた手順書作成が約30分で終わるようになりました。
もちろん、実際の設備や作業方法と合っているかの確認は必要ですが、ゼロから作るより圧倒的に効率的です。
③ 報告書が読みやすくなった
報告書を書く際も同じです。
私は、
「何を書けばいいか」
ではなく、
「どう書けば伝わりやすいか」
に時間を使っていました。
ChatGPTなら、
読みやすい文章を短時間で作成してくれます。
ただし、私は最後に必ず自分の言葉へ修正しています。
その理由は、
AIらしい硬い文章のまま提出すると、
普段書いている報告書との違和感が出てしまうからです。
「少し話し言葉を入れてください」
「硬すぎない文章にしてください」
と指示するだけでもかなり自然になりますが、最後の微調整は自分で行うようにしています。
このひと手間を加えるだけで、違和感のない報告書に仕上がります。
ChatGPTを使うときの注意点

便利だからといって、そのまま提出することはおすすめしません。
私が必ず確認しているポイントは次の4つです。
① 事実関係を必ず確認する
ChatGPTはもっともらしい文章を書きます。
しかし、実際には起きていない内容まで補ってしまうことがあります。
そのため、
日時や作業内容、原因などは必ず確認しています。
② 個人情報・会社の機密情報は入力しない
私は実際に使うときも、
会社名や設備名、人名などは入力していません。
一般的な表現へ置き換えて利用しています。
これは情報漏えい防止のためにも重要です。
③ 対策は現場で実施できるか確認する
AIが提案した対策が、
必ずしも現場に合うとは限りません。
例えば、
設備投資が必要だったり、
作業時間が極端に増えたり、
現実的ではない案が出ることもあります。
だからこそ、
最終判断は現場を知っている人が行う必要があります。
④ 最後は自分の言葉へ直す
私はこの作業を一番大切にしています。
ChatGPTはあくまで補助ツールです。
最終的な責任は作成者にあります。
文章を読み返し、
普段自分が使っている表現へ直すことで、
自然で読みやすい報告書になります。
よくある質問
Q. ChatGPTに会社の情報を入力しても大丈夫ですか?
私は会社名や設備名、個人名などは入力していません。
一般化した表現へ置き換えて利用しています。
会社のルールも確認した上で利用することをおすすめします。
Q. 無料版でも使えますか?
はい。
今回紹介したような、
対策の検討や報告書作成程度であれば無料版でも十分活用できます。
私は用途によって有料版も利用していますが、多くの方はまず無料版から試してみると良いと思います。
Q. ChatGPTが作った文章をそのまま提出してもいいですか?
おすすめしません。
必ず内容を確認し、
自分の言葉へ修正してください。
AIが提案した内容が、
自社ルールや現場の実態に合っているとは限らないためです。
私が一番良かったと感じたこと
私が最も良かったと思っているのは、
報告書を書く時間が短くなったことではありません。
本当に変わったのは、
教育に使える時間が増えたことです。
以前は、
対策を考え、
手順書を作り、
報告書を書いているうちに一日が終わっていました。
しかし現在は、
短縮できた時間を使って、
現場で危険ポイントを説明したり、
実際の作業を見ながら教育したりする時間を確保できています。
ヒヤリハット活動の目的は、
きれいな報告書を書くことではありません。
同じ事故を二度と起こさないことです。
そのためには、
現場で教育する時間こそが最も重要だと私は考えています。
ChatGPTを使うようになってから、
以前より安全活動に時間を使えるようになり、
職場全体の安全意識も少しずつ高まっていると感じています。
まとめ

ChatGPTは、ヒヤリハット報告書を丸投げするためのツールではありません。
私が実際に使って感じたメリットは、
- 再発防止策を考える時間を短縮できる
- 手順書を素早く作成できる
- 報告書を短時間で文章化できる
- 空いた時間を教育や安全活動へ使える
という点です。
安全活動で本当に重要なのは、
「報告書を書くこと」ではなく、
同じヒヤリハットを繰り返さない仕組みを作ることです。
もし毎回、対策や報告書作成に多くの時間を取られているのであれば、一度ChatGPTを仕事の補助として活用してみてください。
私のように、書類作成の時間を減らし、その分を現場教育へ使えるようになれば、安全な職場づくりにより多くの時間を使えるようになるはずです。
関連記事
ヒヤリハット報告書とあわせて、以下の記事も参考になります。
これらを組み合わせることで、品質改善や安全活動に関わる書類作成をさらに効率化できます。